伊藤 貴一さん

ずっと愛される
「まちのいい店」を目指したい!
~公務員からパン職人の道へ、この春オープン「Bakery PUN」~

 埼玉県出身で警視庁にお勤めだった伊藤貴一さんは、東日本大震災をきっかけに福島と縁を繋ぎ、この春、西郷村にパン屋さん「Bakery PUN」をオープンします。長年の公務員生活を経て、パン職人の道へ。伊藤さんに福島の魅力、パンヘのこだわりなどお話を伺いました。

── 福島との出会いのきっかけは?

 大学卒業後、警視庁に入庁しました。2011年の東日本大震災後の福島の治安を守るため、全国22の都道府県警察から特別出向した警察官(350名)で編成された『ULTRA POLICE FORCE(ウルトラ・ポリス・フォース)』こと「ウルトラ警察隊」の一期生として、2012年福島へ出向することになりました。ウルトラ警察隊として帰還困難区域や仮設住宅の見回りの任務をつとめる中で、福島の人の温かさや、自然の豊かさや食材の素晴らしさに気づき、魅力を感じました。そして福島県に定住したいと思うようになり、福島県警に転職しました。地元の埼玉への新幹線でアクセスが便利な白河市か西郷村で物件を探して出会えたのが、この古民家風な物件です。その後、ここに住むなら転勤や異動がない仕事がいいなと思いまして白河市役所に転職しました。もともとリノベーションやDIYにとても興味があってこの物件を少しずつリフォームしました。

── どうしてパン職人を目指したんですか?

 子どものころから、週末は家族でパン屋さんに出かけて好きなパンを食べるのが習慣で、ずっとパンが好きなんです。大人になってからはカンパーニュなどのハード系のパンのとりこになりましたね。もちろん食べるのも大好きで、西郷村に来てからは好きなパンを求めて黒磯まで足を伸ばしていました。公務員だったこれまでと逆の暮らし方をしてみたい、と考え、自分のパン屋を開業することを目指し、那須塩原市にある人気店「カネルブレッド」で3年間修行をしました。「確かにあなたには公務員は向いてないと思っていたよ」と妻も賛成し、応援してくれたのが何より心強かったですね(笑)。

── 新しいお店はどんなパン屋さんですか?

 いよいよ4月後半に「Bakery PUN(プン)」がオ—プン予定です。国産小麦メインで作るカンパーニュやフランスパンといったハード系から菓子パンまで、子供からパン好きまで楽しめるパン屋になります。ひとつのお店が盛リ上がると、地域も盛り上がっていくと思うので、細く長く続けて、西郷村のいい店の一つになれたら良いなと思っています。村の食材も積極的に使っていきたいですね。
 移動販売も行う予定で、DIYで軽トラックの荷台に乗せる小屋を一から手作リしたんです。白河西郷エリアを中心にパンを販売していきます。走って目立つ販売車だと思うのでぜひ見かけたときはこだわりのパンを沢山の方に手にとってもらえたら嬉しいですね。

 

Bakery PUN
4月後半オープン予定
西郷村小田倉上野原358-1
営業日 インスタグラムを確認

 
 

◆[プロフィール]◆

伊藤 貴一(いとうきいち)さん
Bakery PUN 店主

 
41歳。埼玉県越谷市出身。
成蹊大学卒業後、2006年警視庁入庁。
2012年ウルトラ警察隊として
福島県警へ出向。
2015年福島県警行政職員へ転職、
2018年白河市役所へ転職。
2019年パン職人を目指し修行ののち、
2024年春、西郷村に
「Bakery PUN(プン)」を
オープン予定。

[インスタグラム]
いとうきいち @bakery_pun
 
 

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