吉野 徹彦さん

石川地域のリソースを組み合わせ
母畑温泉の魅力をもっと多くの人へ!

 温泉や施設の良さ、おもてなしの品質で、何度も日本一に選ばれてきた母畑温泉・八幡屋。昨年12月、パイロットから転身し新社長に就任した吉野徹彦さんに、これからの抱負を伺いました。

── 前職について教えてください。

 昨年11月まで全日空に勤務していました。もともと乗り物が好きで、パイロットになると決めたのは高校2年の時。大学・航空大学校を経て、ANAに入社しました。
 パイロットになって最初はエアバス320の副操縦士として国内線を中心に、その後は機長にも昇進し、ボーイング777でアメリカやヨーロッパなど長距離国際線のフライトを担当していました。

── パイロットから経営者へ
  180度の転身ですね。

 そうですね。昨年、母畑エリアを活性化させようという構想が八幡屋で立ち上がリ、新規事業を展開していくにあたって経営陣が強化されることになりました。
 私としては八幡屋は妻の実家ですし、年に2・3回は家族で帰省してきた石川町に愛着もあります。また、20年近く国内外の都市を見てきて、日本の地方都市は魅力を伝えきれていないと感じてきました。いつか地方創生に関わる仕事に携わってみたいという思いもありましたから、転職や移住に違和感はありませんでした。

── どのような会社をめざしますか?

 八幡屋の企業理念は「社員第一主義、お客様第一主義」であり、お客様と直に接するのは社員です。一人一人が八幡屋で働くやりがいを感じることで、お客様へのおもてなしを洗練させていける会社にしたいと思っています。
 航空業界で機長に求められるものの一つに、副操縦士や客室乗務員などメンバーの力を結集し、技術や情報を有効に活用してチームで目標に向かっていくCRM(クルー・リソース・マネジメント)というスキルがあります。これは旅館経営でも役立つスキルですので、社員と積極的にコミュニケーションをとりながらチームビルディングを行い、進むべき道を模索していくつもりです。

── 旅館としてはいかがですか。

 八幡屋は昔から湯治の宿ですので、湯治場らしく連泊がしたくなる、何度もリピートしたくなる旅館にしていきたいですね。
 周辺にレストランや遊歩道などを整備できたら楽しいですし、毎年、八幡屋の駐車場で開催している「夏の盆踊り大会」のように、地域の皆さんといっしょに楽しめる活動にも前向きに取り組んで、これからも地元に愛される旅館であり続けたいと思っています。

── 読者の皆さんヘメッセージを!

 比較的首都圏からのアクセスが良く、冬場も晴天に恵まれる福島県南は、多くの方に知ってもらえば移住者が増えるエリアだと思っています。また、福島空港に台湾のタイガーエアが就航していますが、会津方面への観光が多いと聞いています。空港近くにある温泉が母畑の―つの魅力ですので、発信力を高めて他エリア観光の前後で立ち寄っていただけるように努めていきます。
 他にも、特産の石をテーマにした企画や、スポーツで全国的に活躍する学法石川中高との連携にも可能性を感じています。八幡屋が軸となり、石川地域に新たな活気を巻き起こしていければと思います!ご期待ください。
 

バイロット時代、八幡屋相談役と
 
 

◆[プロフィール]◆

吉野 徹彦(よしの てつひこ)さん
㈱八幡屋 代表取締役社長

 
宮城県仙台市出身
1979年生まれ45歳
仙台第二高等学校・
東北大学工学部・航空大学校卒。
2005年に全日空に入社。
国内線・国際線パイロットとして勤務し、
2024年11月退社。
同年12月1日に
株式会社八幡屋代表取締役社長に就任。
現在、東京と石川町を単身往復中。
都内の経営大学院でMBA取得をめざす傍ら、
3人の子どもの学期末を待ち
3月下旬に家族で石川町へ移住予定。
大学時代はゴルフ部で、シングルの腕前。
最近の趣味は
一眼レフカメラ。

 
 

前の記事

浜中 順子さん