澤村 享子さん

「うちは大丈夫!」が一番危険です!
〜地域のみんなと変えていきたい「防災」への意識〜

 現在石川消防署職員として働く澤村享子さんは、須賀川地域で初の女性消防職員として採用されて27年目。火災をひとつでも少なく、そして被害も小さくするため日頃の防災への意識を変えるために必要なこととは?普段の活動内容などを伺いました。

── 消防職員になったきっかけは?

 ちょうど短大卒業の年から、今まで男性だけだった須賀川地方広域消防組合の採用が男女問わなくなりました。親戚が勤めていたことや、男勝りな性格でもあったので(笑)、公務員試験に合格し、この道に携わり27年になりました。短大では保育科で子どもや高齢者の社会福祉について学んでいたので、地元で幅広い世代の人の命を守る仕事ができたらと消防士になることを決めました。須賀川地方広域消防組合として初の女性採用でした。

── 消防職員としての主な活動は?

 採用から8年目に働き方の改正もあり、今はほぼ男性と同じ仕事内容をこなすようになりました。消防士というと火災が起きた際の消火等の現場活動のイメージが強いかもしれませんが、いかに火災を防ぐかといった火災予防指導がメインです。事業所や店舗、ホテルなどで消防設備の指導、地域のサロンなどで高齢者の方向けに住宅用火災警報器の重要性について周知してもらう活動をしています。消火現場での対応はもちろんですが、火災を未然に防ぐ、火災が起きてしまったときにいかに規模を小さくできるかの大切さを理解してもらえたときはやりがいを感じますね。

── 実は気をつけてほしい、防災のポイント

 火を使っていないから大丈夫だと思いがちですが、実は気をつけてほしいのが電気火災です。気づかないうちにコンセントにほこりが溜まっていたり、半端差しになっていませんか?そこに湿気が加わるとトラッキング現象が起きて火災が起きてしまうことがあるんです。また高温になるヘアアイロンや頻繁に使うドライヤーなどのコンセントを日頃、挿しっぱなしや束ねて使用するのも危険です。災害時などに意図せずに電源が入ってしまい火災の原因になります。また負荷がかかりやすい海外製の高速充電器も不在の際に充電したままにするのは危険です。築年数の古いところではまだ未設置の多い火災警報器も、3,000円程度の負担で10年間使うことができるんです。「火事になると思って火事になるところはないんです」よね。根拠なくうちは大丈夫と思わずに、学校、事業者さんや地域の防災訓練を通して周知を広めていきたいですね。

── 休日の過ごし方は?

 最近の休日は、部活を頑張る息子達のハンドボールや陸上の大会の応援に行くことが増えてきました。体が資本なのでひとりの時間があるときはマッサージに行って体をメンテナンスしています。食べ歩きも好きです。石川町で好きなお店はラーメン「餐」、「峰清館」の海老天丼も大好きですね!

── 読者へのメッセージ

 まだまだ暖房器具を使う時期が続きます。火災をゼロにすることは難しいですが、日頃の意識を変えていくことで火災の被害を減らすことはできると思っています。防災への意識を変えるために地域のみなさんと手を取り合って活動していきます。また全国的にもまだまだ少ないのですが、消防士はやりがいのある仕事ですし、これからはもっと女性の職業の選択肢のひとつとして女性消防職員が増えたら、と思っています。

 

 
須賀川地方広域消防組合HP
https://www.sukagawa119.jp/

 
 

◆[プロフィール]◆

澤村 享子(さわむら きょうこ)さん
消防職員

 
石川消防署、消防司令。
石川町出身、
学法石川高校を経て
郡山女子短期大学保育科で
社会福祉を学んだ後、
須賀川地方広域消防組合で
初の女性消防職員として勤務。
現在27年目。
須賀川、本部、長沼での勤務を経て
石川の勤務は4年目となる。
夫、息子2人(小6、4)、
自分の両親の
6人家族の47歳。
 
 

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