丸本 孝太郎さん
地球の環境のこと、未来のこと。
べこアートから考えてみませんか。
その手にあるのは、近ごろ話題のバイオマスプラスチック製プラモデル「べこぷら」の完成品。今回お話を伺うのは、新プラ・伝統工芸品・アートを掛け合わせ、社会をより良く変えていこうと活動する丸本孝太郎さんです。
── バイオマスプラスチックって?
従来のプラスチックは100%石油が原料ですが、バイオマスプラスチックは、植物や貝殻などの有機物をまぜることで石油の使用量を抑えた新素材です。
バイオ(生物)由来のプラスチックにはもう一つ、微生物の働きで土に還る生分解性プラスチックがありますが、トウモロコシやサトウキビなどの原料を作る農地を広げるために東南アジアなどで森林が伐採されることも多いんです。これでは意味がない。だから、自分は有機物をまぜる「バイオマス」を選びました。
── 「バイオマス」との出会いは?
私はプラスチック一筋で生きてきたので、海洋プラスチックゴミや温暖化の問題が騒がれだしたころから、「なぜプラスチックばかりが悪者に?」という悔しさがありました。
ある日、浪江町でライスレジン(食用にならない米由来のプラスチック)製品が開発されたことを知りました。大手外食チェーンの容器に採用されたことで話題にもなりました。「これだ!」と思いました。それから、みるみる生物由来のプラスチックに惹かれていきました。
── 新製品の発表は1月でしたね?
そうです。新機能付トレーを作りました。単なる道具としての製品ではなくて、表に民話を描いて記載されたQRを読み込むと「読み聞かせ」ができるもの、それから盤面にバイオマス素材で作った環境にやさしい製品であることを表記して環境保全にちょっとでも目を向けてもらえる工夫をしたものなどです。
何かしらのメッセージを添えることで、導入した企業や施設がお客様=使う人とサスティナブルな社会づくりについての考えを共有してもらえる仕組みです。
── バイオマス製「べこぷら」の
誕生について
会津で「べこぷら」を作っている会社がバイオマスに興味を持ってくれたことがきっかけです。すぐにタイアップの話が持ち上がり、6月には木材加工で出る木粉を加えた原料でバイオマス製「べこぷら」を商品化できました。そしてここから自分でもびっくりする展開になっています。
8月には私にとって初めてのワークショップ開催を経験しました。会場で小さい子からシニア層、障がいがある方にも思い思いに絵付けを楽しんでもらったんですが、案内人である私自身が「ひとつひとつが世界に一つだけのアート作品だ!」と感動してしまって。
── それが「べこアート」ですね?
ええ、「べこアート」を発表してまだ3か月ですが、バイオマスプラスチックが瞬く間に伝統工芸の赤べこと出会い、皆さんが「べこアート」として楽しんでベコに命を吹き込んでくれることで、素材の良さを超えた存在に育っています。
今年も「異常」に暑い夏でしたが、今後はこれが「平常」になるといわれています。未来を持続可能にしていくために、「べこアート」から1人でも多くの人が環境や限りある資源のこと、未来の世代が生きる豊かな社会について思いを巡らせてもらえたらと思います。


Instagram @akabeko_decobeko
◆[プロフィール]◆
福島三洋プラスチック工業(株)
プラスチック開発
コーディネーター
1961年5月
北海道芦別市生まれ
芦別工業高等学校卒業後、
射出成型・金型製作企業で
当時、最先端のNC加工プログラミングに従事。
1990年、当時の会社の須賀川進出にあわせ
家族で移住。
プラスチック一筋45年。
複数社でキャリアを重ねた超ベテランとして
バイオマスプラスチックの
開発・製品化に着手。


