春日裕介さん
親子3代、70年。
地元の頼れる“かかりつけのお医者さん”
いざという時、ご近所に気軽に相談できて時間外でも駆け付けてくれるお医者さんがいれば安心です。1950年の開業から代々地元で愛されてきた春日クリニック(旧・春日病院)の「ゆーすけ先生」こと春日裕介医師を訪ねました。
── お祖父様が初代と伺いましたが。
祖父は京都の出身ですが、昭和16年に国立療養所(現・国立病院機構)福島病院へ赴任しました。その後、金徳寺近くに敷地があるからと周りに開業を勧められ、昭和25年に東町に診療所を建てたと聞いています。現在の駐車場の一角にありました。
── 確か、一度移転されていますね。
ええ、16年前まで須賀川には脳卒中後に長期リハビリができる病院がなく、必要な患者さんは郡山市の熱海まで行かなくてはなりませんでした。それで平成16年に総合南東北病院の協力で「春日リハビリテーション病院」を造った時に外来も移したんですが、「遠くて通えない」という患者さんが多くて。父(院長)は患者さんの声を放っておけない人ですから、「それなら東町でクリニックをやる」と。平成19年に開院しました。僕は平成22年頃から手伝いはじめました。
── 往診もしてくれるので安心です。
僕が行くこともありますが、往診は父がメインです。夜中でも緊急の連絡があれば飛んでいきます。
昔から往診に出かける父を見てきましたが、70を超えたいまも現役。患者さんのためなら休むことは考えてないみたいです。根っからの仕事人間ですね。
── 新型コロナウイルス感染症についてクリニックの対応は?
ご高齢者や糖尿病の患者さんは重症化リスクが5倍以上といわれているので、他の患者さんを守るためにも咳や発熱などの症状のある方が来院されたら、まずは車で待機してもらっています。問診は電話で行って、通常診療にするか、別室で診るか駐車場で診るかを判断しています。インフルエンザや熱中症はコロナと似た症状がでるので、ケースバイケースですが。
── 先生が医師を志したのはいつ頃?
僕は3人兄弟の末っ子で姉と兄がいますが、この環境で育ったので子ども心に医者になるんだろうなとは思っていました。はっきり意識したのは進路を決める中学3年になってからで、東京の高校へ入り、医大で消化器内科を専攻しました。
兄は違う仕事に就きましたが、姉は循環器科の医者で、僕が上京した頃は医学部の学生でした。
── 学生時代の忘れられない思い出は?
高校時代、訛りを隠すのに一所懸命だったことかなぁ。同級生に出身地を聞かれて「須賀川」と発音したつもりが「深川?」と聞き返されたりして、隠しても結局バレちゃう(笑)
大学時代は、勉強が大変でした。いまだに試験に落ちた夢を見ることがあって、目覚めて「あ、学生じゃなかった!」とほっとしたりして。
── 最後に、この時期に気をつけたいポイントを教えてください。
ウイルスに負けない身体にしておくためにも食事や睡眠をしっかりとって欲しいですね。特に今年はマスクを着けている分、いつも以上に熱中症に要注意!温度を調整する力が弱い小さい子やご高齢の方は気づかないうちに脱水症状になりやすいので、意識してまめに水分を摂ってほしいですね。本格的な夏になる前に、少し汗ばむくらいの軽い運動で暑さに慣れておくこともおススメです。
◆[プロフィール]
春日 裕介(かすがゆうすけ)
1979年6月 須賀川市生まれ
聖マリアンナ医科大学卒業後、日本医科大学入局。研修医時代を過ごす。
現在、春日クリニックの外来診療のほか、郡山市坪井病院の消化器内科医を兼務。糖尿病内科を専門とする春日明院長と二人三脚で「患者さん中心のココロのかよう医療」を実践し、県内の総合病院と連携し、日々地域医療に貢献している。